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ドラム椅子の腰を痛めにくい高さや座り方とバスドラムのキックペダルの踏み方
ドラムを長年叩いていたら腰を痛めてしまった、膝を痛めてしまったという方もお見えになります。
プロドラマーでも腰の痛みと付き合いながら演奏している方は居り、私も今まで何人かお会いしています。
腰を痛めるのはドラム椅子の高さや座り方が原因であることが多いです。
膝を痛めるのもドラム椅子の高さや座り方とバスドラムのキックペダルの踏み方で解消できる場合が多いです。
プロドラマーでもドラム椅子の高さや座り方は千差万別で、これだけが正しいといったものは今も確立されていません。
ただその中でも腰や膝を痛めにくい高さや座り方はあります。
私自身はドラムで腰や膝を痛めるところまで至ったことは無いですが、いかに安定したいい音で思い通りの演奏ができるかという視点で、ドラム椅子の高さを今まで何度か変えてきました。
今回は昨年から私が実践しているドラム椅子の高さや座り方とバスドラムのキックペダルの踏み方をご紹介したいと思います。
私はこの方法にしてから腰を痛めそうになる兆候は一切無くなり、バスドラムの音色も安定したいい音が出せ思い通りの演奏が出来ています。
目次
- ○ 1. 腰を痛めにくいドラム椅子の高さと座り方
- ・1.- ① 浅く座る
- ・1.- ② 椅子の高さ
- ・1.- ③ 姿勢と重心
- ○ 2. 膝を痛めにくいバスドラムのキックペダルの踏み方
- ・2.- ① ドラム椅子からバスドラムまでの距離
- ・2.- ② スプリングと踏み始めの位置
- ・2.- ③ キックペダルの踏み方(スロー動画)
- ○ 3. 最後に
1. 腰を痛めにくいドラム椅子の高さと座り方
1.- ① 浅く座る
ドラム椅子には座面が丸いタイプと自転車のようなサドル型のものがありますが、大多数の方が使っている丸椅子タイプで説明していきます。
普通に座ってもある程度太ももが自由に動かせるサドル型に対して、丸椅子は浅く座ることで太ももが自由に動かせます。
私がどれくらい浅く座っているかというと、座骨が座面のふち付近にまで来ています。
1.- ② 椅子の高さ
私も一度指導して頂いた、故 村上“ポンタ”秀一氏が実践し提唱されていましたが、椅子を高めにすると腰を痛めにくいです。
足の指の付け根部分でキックペダルを踏み、ビーターをバスドラムの打面に付け、かかとを出来るだけ持ち上げる、この状態で太もも上部が床とほぼ平行か、膝が脚の付け根よりやや下がる程度が目安です。
ポンタさんはもっと高いですが、私は足の指の付け根部分でキックペダルを踏みビーターをバスドラムの打面に付けかかとを床から10cm持ち上げた状態で、太もも上部が床と平行よりもやや膝が脚の付け根より下がる椅子の高さです。
1.- ③ 姿勢と重心
高めの椅子で浅く座ると初めは不安定に感じるかもしれませんが…。
両足をペダルに置いて、上半身が前後左右に傾かないよう、背中を丸めたりせずスッとした姿勢で座ります。
ヨガをされている方は良くご存じですが骨盤を立てて座ります。
良い姿勢だと思ってしまいがちな骨盤上部が前に傾いた「反り腰」になってしまうと、腰を痛めるので十分注意してください。私は一時期やや低めの椅子で反り腰気味で座っていたために腰を痛める兆候が出たことがあります。
逆に骨盤上部が後ろに傾くと背中が曲がっていわゆる猫背になりこれも腰を痛める原因になります。
スッと骨盤を立てて、浅く座ることに慣れると、丹田をメインに両足も含めバランスよく重心が取れ、スポーツとはいいませんが、デスクワークと違い常に腕や脚を動かすドラム演奏が安定していきます。
2. 膝を痛めにくいバスドラムのキックペダルの踏み方
2.- ① ドラム椅子からバスドラムまでの距離
腰を痛めにくいドラム椅子の高さと座り方をした上で、今度は椅子の位置を調整します。
キックペダル面の前方が1/3~1/4程度見えるように足を乗せ、かかとを上げて足の指の付け根部分でキックペダルを踏み、ビーターをバスドラムの打面に付けます。
この時、膝からくるぶしが床に垂直よりもやや膝の方がくるぶしよりバスドラム方向に出ているようにします。
この膝の方が少しバスドラム方向に出ているフォームはヒールダウン奏法には不向きですが、脚の重みだけで楽にヒールアップ奏法が可能で、パワーのある音を出すのもダブルストロークも楽です。
スネアドラムを体の中心に置き、ハイハットシンバルスタンドをキックペダルとほぼ対象となる位置にセットします。
ハイハットはヒールトゥでオープンクローズする為、足の乗せ方はつま先がペダル面前方辺りまで来ているようにし、膝からくるぶしが床に垂直になる位置にセットします。
2.- ② スプリングと踏み始めの位置
キックペダルのスプリングの強さは、ペダル面前方を手の指で押して踏み込めるくらい弱めに調整します。
ペダル面の前方が1/3~1/4程度見えるように足を乗せ、かかとをやや上げて、画像の足指の付け根部分でキックペダルを踏み、ビーターをバスドラムの打面に付けるか、打面ギリギリの位置にします。
2.- ③ キックペダルの踏み方(スロー動画)
ビーターが踏み始めの位置に来たら、
次に、座ったまま脚だけ縄跳びの要領でジャンプするように膝や脚をぴょんと上げ下ろすと、上がったとき伸びていたスプリングが戻ろうとする力が働きビーターが勢いよく戻り、下りた時に足の重みとビーターがバネで動く勢いの力で打面に当たるという一瞬の出来事が起きます。
スロー再生の動画でご覧ください。
先ずはキックペダル無しで床で脚の動きを確認します。
同じ動きをキックペダルで行います。
ダブルストロークです。
キックペダルの踏み方の大きなポイントとして、先ずビーターが打面付近にあるという”踏み始めの位置″が重要です!
3. 最後に
私が昨年から実践している腰を痛めにくいドラム椅子の高さや座り方とバスドラムのキックペダルの踏み方について説明してまいりましたがいかがでしたでしょうか。
椅子の高さ、浅く座る、上半身の姿勢、ドラム椅子からバスドラムまでの距離と膝から下の脚の位置、キックペダルのスプリングの強さ、キックペダルの足を乗せる位置、踏み始めのビーターの位置、キックペダルの踏み方と見てきました。
先にもお伝えいたしましたが、ドラム椅子の高さや座り方は千差万別で、これが正しいといったものは今も確立されていませんが、腰や膝を痛めにくい一つの方法としてお試しいただき、お役に立てれば嬉しいです。
ありがとうございます。
Drums&Percussion 花岡英一 拝
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